フィルムスケールの課題と未来について
東京都上池袋にある「株式会社 大山光学」は、フィルムスケールの特許取得企業です。こちらでは、フィルムスケールが活躍する分野とその製品について、将来的な開発製品を交えながらご紹介します。
フィルムスケールが活躍するシーン
フィルムスケールが内蔵されるロータリーエンコーダーは、いわば分度器のようなもの。産業用ロボットや工作機械、モーターなどの回転軸に取り付けられ、角度の位置決め制御に用いられる重要なパーツです。
ロータリーエンコーダーは、防犯カメラやボール型マウス、ジョグダイヤルをはじめ、最先端ロボットや医療機器、情報機器など、制御が必要な機器にはすべて使用されているだけに、従来のガラススケールに比べて「割れない」「軽い」といったフィルムスケールの利点を活かし、将来的にも活躍できるシーンが増えていくと想像できます。
改善点と今後の期待
フィルムスケールは今後、より精度の高い緻密なスケール製作を可能とし、ほとんどのガラススケールにとって変われる商材になっていくでしょう。
現段階のフィルムスケールは、熱さに弱いというデメリットがあります。耐熱性における弱点を解消するため、当社ではセルロースナノファイバーという素材を開発中です。これにより、大幅に耐熱性を向上させることができ、さらなる分野での活躍が期待できます。
- フィルムスケール成功の足跡
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フィルムスケールとガラススケールには、双方に求められる役割がそれぞれありました。具体的には、フィルムスケールは「精度が低いけれど、安くて加工性がしやすい、割れない」。対してガラスは、「コストは高いけれど、精度が高く、膨張率が低い」。
これらの条件下で市場が確立されていたため、「高精度のフィルムスケール」を求める企業は決して多くはありませんでした。そんなとき、とあるお客様からの要望から、「フィルムスケールで、なおかつ高精度なもの」を開発することに(大山光学のフィルムスケール)。
当社での開発が成功したことにより、フィルムスケールの未来は大きく広がりました。これまで、精度の問題でフィルムが使用できなかった機器への導入や、ガラスでしか再現ができなかったことから費用が膨らんでいた試作品のコストダウン、またガラスでも対応できなかった業界へのアプローチなどが可能に。ガラスの代用品としてではなく、「軽い」「割れない」といった特性から、エンコーダーやスケール自体の活躍の幅を広げたと言っても過言ではありません。
新たな機械の開発、クライアントからのニッチな要望などありましたら、ぜひ大山光学までお気軽にご相談ください。